描写とは、現実に即さなくてもいいのだ。レイ・ブラッドベリの短編に「ロケットの夏」というのがある。ロケットの発射炎の熱で、オハイオの冬の谷の雪が溶け、短い夏が訪れるのだ。実際には「そんなことはない」ことを我々は知っている。しかし、そのイメージは読者をロケットの夏に連れて行くのだ。
— 鷹見一幸 (@takamikazuyuki) 2018年4月12日
ツイッターで流れてきたこの記事。
途端に頭の中に響く「ナサニエル・ヨーク」という言葉。
「ロケットの夏」は「火星年代記」に収録されていてます。
映画「華氏451度」を見たあと、1冊ぐらいレイ・ブラッドベリの小説を読まなきゃって読んだんだけど、
非常に繊細で美しい描写と、気持ち悪いというか、ミョーに恐ろしいストーリーのバランスが、
なんとも言えない不気味さを醸し出す、すさまじい世界でした。
マンガ化するなら私の絵じゃなくて相方の絵じゃなきゃ雰囲気が出ない世界。
坂口尚のマンガで「ブラッドベリの小説のような」という表現があったと思うんだけど、
それはたぶん「星の動く音」だったと思うんだけど、うん、あんな感じで、
でも最後の主人公の少年の納得は無いような、救いのない世界。
「火星人を見せてあげる」と言われて、本物の火星人は絶滅していて、
水に写った自分の姿を「火星人」って言われても……
怖すぎる。
ついでにツイッターで流れてきた郵便局の正職員の給料を非正規並みに下げる話。
そんな無茶なってツイートをしている人たちは、正規の職についてる人たちなんだろなあ。
幸せなお話です。